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ジョイ Y. スズキ 『connecting…the inside+outside』
磨りガラスを通してみる花は、色や形がかすかに柔らかくなって、色の影のように見える。‘光りがきれい’ということと‘明るい’とは違うと思う、という。柔らかで繊細な感性、鋭い美意識。それは、彼女が表現するすべてに貫かれている。
カリフォルニア出身の日系3世。大学でガラス制作を学んだ後来日し、いくつかの工房勤務の後独立。来日して14年になる。今まで主に花器を制作。そこに自ら花を活ける。それは、草花への優しいまなざしに充ち、詩情溢れる一幅の絵のようだ。その彼女が‘きれいな光り’を求めて『窓』を作った(正確には窓ガラスだが)。
窓を作りたいという気持ちは数年前に芽生え、以来あたためてきた。来日してから一番長く住んでいるのが鎌倉。古い板張り、すきま風、窓はプレスガラス戸の古い家。その家に住んで光の美しさを知ったという。壁は内と外を隔てる。でも窓は内と外をつなげる。素通しのガラスの明るさではなく、サンドブラストされた面を通して見えるモノの、ぼんやりとした気配が好き。器を作っているうちに、家が一番大事な器だと思うようになったから、とも。
昔のプレスガラスの模様が好きで、元来大量生産品であったプレスガラスと同じようなものを、手軽に使いやすい形でできないだろうか、という気持から制作が始まった。今回発表する窓は、板ガラスにサンドブラストを施したもの。モチーフのシンプルな線と面が、微妙な凹凸で表現され、彼女らしいセンシティブな窓ガラスが誕生した。邪魔にならない、でも楽しさを感じられるものを、と、左右のガラスが重なり合った時の変化も考えられたデザインだ。これをプロダクトデザインのプロトタイプと見て、共同開発を希望する企業はないものだろうか?
展覧会では『窓』の他に、花器やうつわも出品される。
コンフォルト No.90 2006年6月号より転載
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