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右:φ40cm h:14cm ¥94,500円
※2/21(thu) Close
高橋 禎彦『うつわ』
ガラスの成形技法は色々あるが、もっともポピュラーなのは宙吹き(ブロー)。るつぼの中で熔けた材料を金属のパイプに巻取り、吹いて成形する。作家の数も多い。オブジェがメインだった高橋さんが、数年前から宙吹きのうつわに取組んでいる。
高橋さんの作品はずいぶん前から見ているが、「宙吹の作品でも、なんか他の作家とは違うな」とずっと思ってきた。理由は分からず、ただそう感じていたが、今、竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開催されている『工芸の力—21世紀の展望』展(2月17日まで)で展示されていた高橋さんのコメントを読んで「成る程」と納得。最後に、その全文をご紹介します。






最近の仕事―吹きガラスについて(高橋禎彦)
『私はガラスでものを作り始めてからしばらくしてから、吹きガラスのプロセスをもう一度自分なりに理解したいと思い、あらためて器をつくるようになりました。吹きガラスのテクニックを教わるときに、大抵器の形をつくることから始めますが、それが、実は誰かの特定の目的に即したやり方を誰かが伝承したものを教わっているのだ、ということに気がついたからです。すべての‘習う’ことがそうやって、知的遺伝子を共有し、発展させて来たには違いないのですが、私をこの材料に関わらせるきっかけとなった、一番材料のダイナミズムを感じさせるこの方法を、私はもっと味わってみたかったのです。
どのような材料でも、成形して出来る形というのは、材料に向けられた力の結果です。吹きガラスの場合、それが内から吹かれる力、外から押される力、引っ張られる力、遠心力、そして重力です。どのような形でも実現してしまうかのようなムラノのマエストロの技術を見たときも、やはりそれが材料の’自然な’プロセスに‘手を添えた’ようなものではないかと思いました。
私は実際には、すべてのプロセスの、いちばん簡単な方法だけを使って、道具を出来るだけ使わない、ということから始めました。引き算をした方法からひとつひとつのプロセスの意味と自分に必要なことを導きだしたいと思ったのです。
一見自然なフォルムというのは、決して自然にはできるものではありません。あたりまえですが、何もしないと、地面に平になってしまう溶けたガラスを形作るということはあくまで自分がガラスをコントロールするということなのです。』